Changed on April 11th, 1999.

 

BLUE RECORD#032('98.6.1 RELEASE)

『Mr.MIBURI,U.S TOUR REPORT』

<大久保 宙(Hiroshi “Chu”Okubo),Mr.MIBURI U.S TOUR REPORT>

1998.4.11(Sat),Washington DC
「Cherry Blossom Festival(SAKURA MATSURI'98)」at Freedom Plaza & 4.14(Tue),THE HARTT SCHOOL

 行ってまいりました!! もうBLUE RECORDの読者にはすっかりお馴染みのMr.MIBURIこと大久保 宙のU.Sツアーでござります。そもそも今回のツアーをレポートするきっかけとなったのは、ぼくが4月からはじまった宙さんのU.Sツアーに参加させてもらうべく半ば強制的に彼に言い寄ったことだったりします。

 普段、東京の一ハードコア・バンドでギターを弾くぼくは、アメリカで知り合った宙さんのコンサートを日本で何度も見ている内に、すっかり彼のパフォーマンス、MIBURIに魅了されてしまい、彼がMIBURIという楽器の持つ秘めたる可能性を広げるべく、様々な音楽ジャンルの人たちと共演しているのを良いことに、ハードコアギターとの共演を申し込んだ次第であります。ハードコア・バンドのギターの過激な音の歪みをよく知る彼は、最初はぼくの申し入れにやや戸惑っていた風ですが、その辺りは強引にねじ伏せてしまいました(笑)。

 そんなわけで、宙さんからの承諾を得たぼくは、晴れてMr.MIBURIとともにパフォーマンス出来る喜びに胸を踊らせつつ、4月8日の夕刻、NWO12便に乗り込み、最初の演奏地ワシントンDCへ向けて飛び立ったのです。

 現地へ到着するやいなや、ワシントンDCで共演する予定だった三味線の杵屋先生と、和太鼓のグループが飛行機のストにより来れなくなったという知らせを受けました。そのため、当初はワシントンDCで二日間やる予定のコンサートが一日のみということになってしまい、大ショック。突然の、トラブルでした。

 今回ぼくらが出演したイベントは、チェリー・ブロッサム・フェスティバル。それは『SAKURAMATSURI ‘98』と題打った、アメリカでの日本のお祭りといった感のあるイベントです。三味線や和太鼓をはじめとする日本の伝統芸能が次々と披露される中、宙さんが登場しました。移動が多い関係上、大がかりなパーカッション類は用意できず、使用する楽器はMIBURIのみ。最初は正直、「これだけで大丈夫かな?」と思っていたのですが、パフォーマンスがはじまると、全く心配にはおよびませんでした。そう、やはりMIBURIはアメリカ人にもバカウケだったのです。

 最新テクノロジー楽器を使っているにも関わらず、感情豊かでユーモアあふれる彼の演奏は、そこでも国籍、年齢を越え、多くの観客たちを魅了していました。子どもや老人、鼻ピアスのお姉さんまで、あらゆる人々が彼の演奏を笑顔で観ていた風景が、ぼくにはとても印象的でした。

 

 最近、彼のMIBURIの演奏にはある一定の流れのようなものを感じ、それを彼が意識的にやっているかどうかは分からないのだが、ぼくはその流れがとても気に入っているのです。南国風のサンバを思わせる曲(ラペンタ)にはじまり、神聖かつ崇高な感じさえする、哀愁漂う楽曲(希望と光)に終わる。だからツアー中は、気むずかしそうな顔をした聴衆が最初の曲の段階で思わずニッコリとし、そして段々とシリアスな表情になっていく。そんな観客たちの表情の変化を盗み見するのが、ぼくの秘かなる楽しみでもありました。

 さてさて、この日はメインステージの他、野外でのステージもありました。そこでは、大勢の観客たちを前に、ぼくもギターを演奏したのです。大好きなステイト・クラスト(東京を中心に活動するメタリック・ハードコア・バンド)のギター・リフを宙さん風(?)に分かりやすくアレンジしたものです。過去に自分のバンドではかなりの数のライヴをこなしていましたから、ステージ馴れはしているつもりだったのですが、この日はさすがにものすごく緊張してしまい、後で自分が何を弾いたのかすらも覚えていない有様でした。しかし、それにも関わらず宙さんの温かいフォロー(観客と一緒になってのかけ声。宙さんのコンサートではお馴染みの風景)もあってか、お客さんの方はかなり盛り上がってくれた様子だったので、ホッとしました。

 コンサート終了後、宙さんは多くの人々に囲まれ、質問、サイン、そして取材 等をこころよく受けていました。この後、ぼくらは打ち上げにも出席したのですが、宙さんはその席でもみんなの要望に応えMIBURIを演奏し、ステージの下でも大人気者でした。その後、ぼくらはコネチカット州のハートフォードに向けて飛びたちました。宙さんの在籍するハートフォード大学院にて開催中の、グラデュエート・リサイタルに出席するために。

 ハートフォードでの宙さんは植木鉢、ティンパニー、マリンバを叩く等のパフォーマンスを披露してくれ、ぼくは、やはりパーカッショニストとしての彼の才能も本物なのだと改めて確信させられました。

 ここでのコンサート終了後、ぼくは日本へと帰国しましたが、宙さんはツアーの続き、取材、来るべき日本公演の準備等で大忙しの毎日を送っています。

 さて、今回のツアーでぼくが強く感じたことは、MIBURIという楽器はある意味で今までの音楽の既成概念を破壊しているのではないか、ということです。そして、そんなMIBURIをプレイする宙さんの生き様に、ぼくはどこまでもパンクの精神を感じてしまうのです。

 パンクバンドを組んでいるにも関わらず、本当の意味ではパンクになり切れていないぼく。そんなぼくの目に、大多数の観客を相手にしても、全く物怖じすることなく自分を出し切れている彼はとても輝かしく、力強く映るのです。宙さんの今後の活躍にぼくはますます期待します。そう、期待するばかりなのです。

 

 最後に、宙さんに一言。やっぱり殻に閉じこもってばかりいちゃ、だめなんだよね。ぼくもこれからは、色の薄いデニムをはくことにするよ(笑)。それじゃ。

Thanks,Hiroshi“Chu”Okubo and PUNK Spirits Forever !!

TEXT/栄 幸作(Security-blanket & INDIES MAGAZINE)

PHOTO/Tim Yaling


上写真は、ワシントンDCの新聞に掲載された大久保 宙さんの紹介記事です


関連リンク

栄 幸作の部屋(Indies magazine '98年6月号より)
栄さんの描いた、もう一つの「大久保 宙の世界」。

Kawasaki,Exciting Night

HAMARIKYU PALACE

1998-Jan.-10/Fujisawa


HOME / INDEX / BBS / E-mail / LINK


 

Copyright 1997-1999 by BLUE RECORD. All Rights Reserved.